スバル
2025.08.31
BL5 レガシィ ミッションオーバーホール・オイル漏れ修理
2006年式 BL5 レガシィのお預かりです。
ご依頼内容はギヤが入りにくい、エンジン回転数の急激な落ち込み、
エンジンオイルの漏れ修理です。
走行テストをして症状を確認します。
シフトチェンジの際、確かに引っ掛かりがありスムーズに入りません。
回転数の落ち込みもあってストール寸前まで落ちます。
シフトフォークやリンケージの問題では無さそうなので
ミッション内部、シンクロナイザーコーンとその周辺に問題が
あると思うので分解を進めていきます。
足廻りの分解。
マフラーやプロペラ等を外してミッションを下ろしていきます。
取り外したミッションASSY。
さらに分解。2分割にしてフロントデフ、メーンシャフト、ドライブピニオンを
摘出。
全てのギヤ、ベアリングを取り外して洗浄と計測をします。
メーンシャフトには金属疲労か歯欠けがあります。
ドライブピニオンはローラベアリングを抜かないと
先に進めないので外しますがSSTが手に入らないのと、
プレスにかけてもびくともしないので破壊。
いずれにせよ再使用は出来ないので問題なしです。
点検の結果、各ギヤ間のシンクロナイザーの摩耗、
スリーブやハブの摩耗などがあり、必要な箇所は全て交換します。
最適なワッシャーを使って「始動トルク」の計測。
これがかなり難儀でした。
ミッションケースは油漏れもあり汚れが酷いので洗浄と
耐熱塗料で塗装します。リビルトパーツみたいになってしまいました。
レリーズベアリング、クラッチディスク、カバーを交換して
こんな時でないと交換できないクランクリヤシールも交換。
何となく日付の記録。
SSTでクラッチセンター出しをしてミッションを載せます。
交換歴の無いレリーズシリンダーの交換。
スロットルボディの洗浄をしてエンジン回転数の落ち込みを
様子みます。
エンジンオイルの漏れはお決まりのタペットカバーですので
オイルを抜いてカバーを外します。
超音波のお風呂に入ります。
すすぎ洗い。
ガスケットを取り付けて規定トルクで締め付け。
作業中に見つけたメルセデスによくある
毛細管現象。カムポジセンサからのオイル漏れで
ハーネスをつたって上部コネクターまで進行していたので
念の為左右交換。
スーパー添加剤「SOD-1」を使ってオイル交換。
ミッションにも入ってます。
全て組み付けて最終テストと試運転を何度も繰り返して
最後にお客様と試乗して問題の無いことを確認。
結果凄く喜んで頂けました。
アイドリングの落ち込みも無くシフトフィーリングも向上。
無事にご納車となりました。
一人作業の為に大変お時間をお掛けしまして申し訳御座いませんでした( ; ; )